いま、このテキストを手にして下さっているあなたへ


私は、あなたとの出会いに感謝いたします。このテキストは、マネジメントの仕事に就いておられる方や、経営に携わっておられる方に限定したものではありません。あえて申し上げるならば、世界のすべての人々へ向けて作られたテキストです。


フィナンシャル・テクノロジー【複式簿記】の歴史
 地中海貿易がゴーイング・コンサーンス(継続企業)を標榜し始めた13世紀、複式簿記はイタリアで考案され、その後1494年にイタリアの修道僧ルカ・パチオリにより体系的に記述されたのが、すべてのスタートでした。以来今日までの500年あまり、殆んど手を加えられることなく受け継がれてきました。当時のドイツの偉人ゲーテは、「人間の精神が産んだ最高の発明の一つだ」と絶賛し、自分がワイマール国の大臣を務めた時期に全国民に簿記教育を受けることを義務付けたのだそうです。この複式簿記によるマネジメントが、ベニスの商人や産業革命の旗手たちを始めとして、それぞれの時代の企業人たちにもたらした利益は、計り知れないものでした。


経営分析の効用
 この複式簿記により作成された財務諸表、損益計算書および貸借対照表に関わる研究の結果、種々の経営分析の手法が考え出されました。その代表的な計算式(テキストに掲載)が、29項目あります。現在多くの人達がこれを利用して経営判断を行っていますが、残念ながら分析の結果を検証する対象は、自事業の前期やそれ以前との比較および同業他社との比較が中心でしかありません。事業の本来の目的は社会問題の解決です。そしてその対象は人です。しかしながらこの分析方法では、顧客の顔が見えてきません。 また、実務に生かされているのは、損益計算書で、損益計算書での経営判断が大勢を占めております。さらに残念なことは、この損益計算書が時には、納税の為の計算シートとしてのみ使われていることです。


顧客の顔が見えるマネジメントへ
 事業の本来の目的である、社会問題の解決のためには、顧客の顔が見えるマネジメントが必要であり、多くは顧客の生活から始まるマネジメントでなければなりません。 今ここに私は、皆さんへ効率計算を提言し、その手法を明らかにしてまいります。効率計算は、人と人との効率よい関わり方を検証して、これを事業化していくプログラムです。このことにより、より多くの出会いが実現して補完関係が出来上がり、結果として、数々の問題解決が図られることとなるでしょう。とりわけ、効率計算がもたらす最大の成果は、有限の時間である皆さんの人生を、限りなく皆さんご自身の為に利用することが、可能になることだと思っております。



さあ皆さん、ご一緒に21世紀のフィナンシャル・テクノロジーの扉を開けましょう。





inserted by FC2 system